ザータリ難民キャンプへの見学を希望する方へ

 

 





 

 

問い合わせやコメントにて、
「ザータリ難民キャンプに見学に行きたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」
との質問が、たびたび来るようになりました。

 

 

その都度、お答えはさせて頂いていますが、繰り返しになりますので、記事として残しておきます。

 

 

僕の答えは、
キャンプ内に入ることは実際、非常に厳しいです。

 

そして、
僕自身に、入る許可を得る力はありません。

 

ということです。

 

 

最初にお伝えしたいのは、シリアに関心を持っていただき、実際に訪問したい!と行動することはとても大事なことだと思いますし、その気持ちをとても応援しています。
ですが、実際のところ、それは簡単なことではありません。

 

 

僕がキャンプに初めて訪問した2016年当時、キャンプ内で活動するJICAボランティアは、家から活動する施設へ直接送迎されて、施設外にはゴミ捨てでさえも出ることは許可されていませんでしたし、ヨルダンで活動する他のJICAボランティアは入ることも禁止されていました。

 

彼らも毎日、キャンプの入口で車の中にいる全員分の許可証をチェックされていたと聞きます(セキリュティの理由から、Permission無しにはキャンプ内には入れません)。

 

 

僕の場合ですが、
「元々、シリアの隊員だったこと」
「アラビア語を話せ、シリアの人たちの文化や背景を理解していること」
「ザータリ難民キャンプ内で活動するNGOの方と、日本で知り合っていたこと」
「シリアの人たちのために活動をしていたこと」を理由に、
NGOの人が苦心して許可証を取ってくださり、
ヨルダンに行ってから2ヶ月近く待って、大口の個人ドナーの通訳として入ることができました。

 

(そうでなく、日本のNGOの人とつながっているから、という理由で入っている人もいるとは聞いていますが、僕と同じくシリアで活動していた元JICAボランティアでさえ、許可が降りなかった例も聞いています)

 

 

また、個人的な意見として一つお伝えさせて下さい。

 

僕自身はフィリピンのスモーキーマウンテン支援のNGOのスタディーツアーが、人生で初めて体験した「貧困地区」でした。

 

Photo credit: Nakano Takayuki「当たり前って何か?を考える。国際協力に触れたい一歩目。フィリピンのNGOスタディーツアー」

 

その後、ボランティアとして関わるようになり、話をしてわかったことがあります。

 

それは「外部の人を受け入れる」というのは、治安面や衛生面で、すごくリスクが高いということです。
もし、外部の人が行ったとして、事故や犯罪に巻き込まれた場合、責任を取るのは外部者や保護者の方ではなく、その支援団体です。その地域での支援はストップしたり、今まで寄付をしていた人たちからの信用もなくなるかもしれません

 

そうならないために、スタディツアーという形で受け入れる際には、最新の注意を払って準備をします。
その間、仕事はそこに集中してメインの仕事ができなくなりますし、経費もかかります。

 

それだけのコストをかけているのは、ツアーという形で数十人を受け入れて、彼らが支援者やメッセンジャーとして活動してくれるというプラスの側面があるからです。

 

(※この辺りはcompathyのブログで書いています)

 

 

NGOの人たちにお世話になる場合、特に考えなくてはいけないことは、
「自分がどうしたいか」ではなく、
「自分はどう貢献できるか」だと僕は思います。

 

そうでないと、「世界にとって良いことをしたい」という想いとは逆の結果をもたらすこともあるからです。

 

 

また、難民キャンプに入れなくとも、難民の8割は都市にて生活をしていますので、
支援団体を通して、彼らから話を聞いたりすることの方が、容易だと思います。

 

 

日本でも、シリア人留学生の受け入れも始まりましたし、シリアの人たちのために国内でできることも増えてきました。

 

質問をするほどの行動力と関心を持った方と、僕らが協力し合えることは非常に嬉しいので、そうした思いのある方々と、力を合わせられれば嬉しく思います。

 

そういう活動に、一緒に関わりたい!と思ったら、

 

 

 

その上で、共感してくださり、
シェアしてくださったり、ご支援してくださったら、嬉しいです。

 

 





 

 

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