働き方は自由に選べるものよ。
人生が先にあって、それから仕事がある。
そう思わない？

（ソン　ベルギー 　?歳 ）

 

ベルギーの空港から、アントワープという街までは、電車で一本。
アントワープ中央駅に着いて、10分ほど歩いたところに、僕の今日の宿がある。

【Air BnB】という、自分の部屋を旅人に貸し出すWebサービスを通じて見つけたのが、ソンさんの部屋。
僕以外に、4人が泊まっている。

到着すると、流暢な英語で歓迎してくれて、オシャレでキレイな部屋に案内してくれた。
アントワープの街の地図も準備してくれて、どこに何があるかも解説してくれる。

「明日の朝ご飯は何時がいいかしら？」

朝食も付いている。朝9時にお願いし、他の4人が来るまでソンさんと、ご飯を食べながらゆっくり話した。

 

 

2年かけて、自転車で世界を回っていたこと。
日本にもその時に来たことがあること。
離婚したけど、その相手とは今でも親友であること。
3年前にこの建物を買ったけど、空いてる部屋をどうしようかと思ってた時にAir BnBを知り、２年前から始めたこと。

いつもオシャレな服装で、とびっきりの笑顔で対応してくれるソンさん。
「今晩、友達とイタリアンカフェに行ってくるの。ねぇ、帽子はあった方がいいかしら？」
と僕に尋ねる。

「帽子があった方がいいと思うよ」と言うと、「分かったわ、楽しんでくるわね」と夜のアントワープに向かった。

 

 

彼女に仕事観について尋ねた。
「アントワープって仕事は見つけやすいの？」と。

「選ばなければ、今日探して、明日見つけることができるわ。
お金が欲しいから、めいっぱい働くのか。
自分の時間を確保して、ゆっくりと働くのか。
スタイルは自分で選ぶの。

人生が先。それに合わせて、仕事を選ぶ。
ベルギー人だって、そんな人ばかりじゃないけど、私はそうありたいと思うの。
そう思わない？」