なぜシリアへ?(後編)イメージと実際は違う世界へ

 

「どうしてシリアに行ったの?」

 

シリアと言えば、へむり。
へむりと言えば、シリア。

そんな風に言ってもらえるようになった僕が、シリアに出逢うまでの話、後編です。

前編はこちら。

 

 

国境には優しさが待っていた

 

トルコからの国境を越えるとそこは・・・・
不思議な字が並ぶ異国の地でした。

もはや笑うしかない!

 

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町の名前を示す看板でもこうした手書きのアラビア語の時がある。2005年

 

 

トルコの南部の町でぼったくられて、トルコリラがほぼなくなって、
なけなしの全財産を払っても、バス代には足りない…。
運転手に、カラッポの財布を見せてアピール。
「はぁ、仕方ないか」と、降ろしてもらったトルコ側のシリア国境の町。

 

 

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その時に乗ったバスはこれより小さなワゴン車でした。

 

が、国境はお昼休みで閉まってて、お金もないし…と凹んでいたら、
ターバンを巻いたおっちゃんがバイクでやってきて、
「どうした?」と声をかけてきました。
※トルコ語。以下、全てジェスチャーの会話

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颯爽と登場したおっちゃん。

 

「んー、国境が閉まってるんだよね」
「ご飯でも食べて待ってたらいいさ」
「お金がないんだよ。まったく」
「じゃなくて、ワシがおごるって言ってるんだ。バイクに乗りな」
「え?いいの?ありがとう!」
と、いうわけで、バイクで近くのご飯屋さんに連れて行ってもらい、
見ず知らずのおっちゃんに昼ご飯をおごってもらい、再び国境に連れて来てもらいました。

 

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本当にお金を取ろうとせずに、通りすがりの僕にご飯をご馳走してくれました…。

 

 

そして、おっちゃんに別れを連れて、向かう国境。
陸路の国境を越える瞬間って、いつもワクワクします。
シリアは事前にビザの申請がいるので、日本で前もって取得していたビザで、アッサリとシリアへ。

 

 

そこで見たのが、冒頭の読めない文字…。
歩いて越えたから国境の先には、何もなく、ガラーンとしています。

 

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これは道中で撮った写真ですが、本当にガランとした通りでした。2005年

 

 

「え?こっからどうしたらいいの?」とアタフタしていたら、
「町に向かうのか?」とヒゲのおじさんに声をかけられます。

 

「うん、そうだよ」と答えると、あれだよあれ、と停まっているバスを指差します。
「どこに向かうの?」「lhがq、;rhqは:hわ」
「え?どこに向かうの?」「ldjgyんs;h」

・・・・わからない。
まぁ、他に選択肢もないし、乗るとしよう!とバスに乗り込みます。

 

 

幼き通訳者

 

イラク戦争の後であり、本当に治安は大丈夫なのか…と、不安たっぷり。

ですが、無事にバスは町に到着し、宿も人々の協力によりちゃんと泊まることができました。

 

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一息ついて、外に出て、商店街を歩いていると、おじさん達に呼び止められました。

しかも椅子に座らせてきます。

 

「なんだこれは!?」

と驚いていると、
外国人が街にやってきたことに驚いたらしく、興味津々で質問攻めにありました。

 

 

が、そこはアラビア語。さっぱりわからない!

・・・と、そこに現れた小学生の男の子。

 

「僕が英語で通訳するよ」と、おじさんたちのアラビア語を英語に、
僕の英語をアラビア語に訳してくれます。

 

 

「どこの国から来たの?」
「仕事?観光?」ってな具合で。

小一時間したら、「そろそろ、疲れただろう?ありがとうな」と、解放してくれましたが、
言葉が通じなくたって、異国から来た僕に関心を持ってくれて、素敵な時間を過ごせました。

 

 

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ミックスジュース。この大ジョッキで100円くらいです。2005年

 

 

 

イメージと実際は違う

 

そんな感じで、初めて訪れたシリアでは、
夜も出歩けるほどの治安の良さがまず、目に付きました。

 

そして、シリアの人たちの明るい笑顔と優しさ。
美味しいご飯と安い果物。
観光に慣れていないけど、ものすごく美しい世界遺産。

 

「あ、なんか、この国、好きだな」

 

そんな感想が残る国で、「怖そう」「危なそう」ってイメージが見事に吹き飛びました。
僕が講演の時に伝えるメッセージである、

「行ってみないと分からない」
「イメージと実際は違う」

というのは、こうした経験が、ベースになっているように思います。

 

 

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こうして僕はシリアにハマった。

 

にしても、まさか、この時は、
「青年海外協力隊」としてシリアに帰ってくるとは思ってもなかったです。

 

青年海外協力隊は、国の希望は出せますが、それが通るとは限りません。
国よりも「何をやりたいか」という点で、シリアで要請されていた内容が、僕がやりたかったことだったこともあり、
シリアになったのだと思います。

(そうじゃないなら、顔がアラブっぽいって理由だと思う。割と本気に

 

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母の一言から、英語を学び始めたことをきっかけに、
僕はシリアという、訪れた人たちを虜にしてしまう国と、人生を通して関わることになりました。

以上が、「なぜシリアに?」という疑問への答えとなります。

 

今は行けない国であるシリアですが、いつか平和になって、

皆と一緒に訪れることができる日が来るように、と願ってやみません。

 

 

かわいそうだから、じゃない。シリアの人たちが大好きだから!

1日10円からできる支援があります。

 

https://readyfor.jp/projects/pieceofsyria

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クラウドファンディング終了まで

 

by 【Piece of Syria】

(Readyforの終了以降も支援は続けていきます。シリアが平和になり、皆で訪れる日まで)

 

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