「どうしてシリアに行ったの?」
シリアと言えば、へむり。
へむりと言えば、シリア。
そんな風に言ってもらえるようになった僕が、シリアに出逢うまでの話、後編です。
前編はこちら。
国境には優しさが待っていた
トルコからの国境を越えるとそこは・・・・
不思議な字が並ぶ異国の地でした。
もはや笑うしかない!

トルコの南部の町でぼったくられて、トルコリラがほぼなくなって、
なけなしの全財産を払っても、バス代には足りない…。
運転手に、カラッポの財布を見せてアピール。
「はぁ、仕方ないか」と、降ろしてもらったトルコ側のシリア国境の町。

が、国境はお昼休みで閉まってて、お金もないし…と凹んでいたら、
ターバンを巻いたおっちゃんがバイクでやってきて、
「どうした?」と声をかけてきました。
※トルコ語。以下、全てジェスチャーの会話

「んー、国境が閉まってるんだよね」
「ご飯でも食べて待ってたらいいさ」
「お金がないんだよ。まったく」
「じゃなくて、ワシがおごるって言ってるんだ。バイクに乗りな」
「え?いいの?ありがとう!」
と、いうわけで、バイクで近くのご飯屋さんに連れて行ってもらい、
見ず知らずのおっちゃんに昼ご飯をおごってもらい、再び国境に連れて来てもらいました。

そして、おっちゃんに別れを連れて、向かう国境。
陸路の国境を越える瞬間って、いつもワクワクします。
シリアは事前にビザの申請がいるので、日本で前もって取得していたビザで、アッサリとシリアへ。
そこで見たのが、冒頭の読めない文字…。
歩いて越えたから国境の先には、何もなく、ガラーンとしています。

「え?こっからどうしたらいいの?」とアタフタしていたら、
「町に向かうのか?」とヒゲのおじさんに声をかけられます。
「うん、そうだよ」と答えると、あれだよあれ、と停まっているバスを指差します。
「どこに向かうの?」「lhがq、;rhqは:hわ」
「え?どこに向かうの?」「ldjgyんs;h」
・・・・わからない。
まぁ、他に選択肢もないし、乗るとしよう!とバスに乗り込みます。
幼き通訳者
イラク戦争の後であり、本当に治安は大丈夫なのか…と、不安たっぷり。
ですが、無事にバスは町に到着し、宿も人々の協力によりちゃんと泊まることができました。
一息ついて、外に出て、商店街を歩いていると、おじさん達に呼び止められました。
しかも椅子に座らせてきます。
「なんだこれは!?」
と驚いていると、
外国人が街にやってきたことに驚いたらしく、興味津々で質問攻めにありました。
が、そこはアラビア語。さっぱりわからない!
・・・と、そこに現れた小学生の男の子。
「僕が英語で通訳するよ」と、おじさんたちのアラビア語を英語に、
僕の英語をアラビア語に訳してくれます。
「どこの国から来たの?」
「仕事?観光?」ってな具合で。
小一時間したら、「そろそろ、疲れただろう?ありがとうな」と、解放してくれましたが、
言葉が通じなくたって、異国から来た僕に関心を持ってくれて、素敵な時間を過ごせました。

イメージと実際は違う
そんな感じで、初めて訪れたシリアでは、
夜も出歩けるほどの治安の良さがまず、目に付きました。
そして、シリアの人たちの明るい笑顔と優しさ。
美味しいご飯と安い果物。
観光に慣れていないけど、ものすごく美しい世界遺産。
「あ、なんか、この国、好きだな」
そんな感想が残る国で、「怖そう」「危なそう」ってイメージが見事に吹き飛びました。
僕が講演の時に伝えるメッセージである、
「行ってみないと分からない」
「イメージと実際は違う」
というのは、こうした経験が、ベースになっているように思います。
こうして僕はシリアにハマった。
にしても、まさか、この時は、
「青年海外協力隊」としてシリアに帰ってくるとは思ってもなかったです。
青年海外協力隊は、国の希望は出せますが、それが通るとは限りません。
国よりも「何をやりたいか」という点で、シリアで要請されていた内容が、僕がやりたかったことだったこともあり、
シリアになったのだと思います。
(そうじゃないなら、顔がアラブっぽいって理由だと思う。割と本気に)
母の一言から、英語を学び始めたことをきっかけに、
僕はシリアという、訪れた人たちを虜にしてしまう国と、人生を通して関わることになりました。
以上が、「なぜシリアに?」という疑問への答えとなります。
今は行けない国であるシリアですが、いつか平和になって、
皆と一緒に訪れることができる日が来るように、と願ってやみません。
かわいそうだから、じゃない。シリアの人たちが大好きだから!
1日10円からできる支援があります。
https://readyfor.jp/projects/pieceofsyria
クラウドファンディング終了まで
by 【Piece of Syria】
(Readyforの終了以降も支援は続けていきます。シリアが平和になり、皆で訪れる日まで)
One thought on “なぜシリアへ?(後編)イメージと実際は違う世界へ”