無くしたものが届く国

「今から届けさせるわ。」

電話の主は、今朝まで泊まっていたホテルの従業員。
世界遺産のあるパルミラの宿に、僕は腕時計を置き忘れたのだ。
そして、バスで3〜4時間ほど移動した先にあるダマスカスでそれに気付いて、
慌てて宿に電話をしたら、その返事。
「ちょうど、ダマスカスに行くやつがいるから」
数時間後、僕の泊まってる宿にシリア人がやってきて、
「はいよ」と渡し、お金をせびることもなく去っていった。
驚くほど、僕が物を落とすのだが、
こんな調子で、携帯電話、カメラ、手帳がことごとく返ってきた。
シリアの人たちは万事、こんな調子だった。
周りのシリア経験者も、「それは”シリアあるある”だわ」と。

行ってみないとわからないことは、

世界にいっぱいある。

回転2005_0919トルコ旅20063
※2008年〜2010年のシリアの話です。
 現在、入国することはシリアの人たちのためにも避けてください。

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